颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)

私はカウンターに突っ伏した。


「もう。みのりさんらしくないわね。あ、いらっしゃい。朝ごはん?」


ドアの鈴がキリキリ鳴って二日酔いの頭に響いた。朝ごはん? 悠斗くんかな、いや息子にいらっしゃいはおかしいし。

ばん!
背中を思い切り叩かれた。思わず飛び起きる。頭が振れてクラクラした。


「どうした、麦倉。コンペ、大変だったんだってな? ん? なんだ、妖怪みたいな顔して」
「あ……佐藤課長……コンペ、コンペなんかどうだっていいんです……うきうきコンペなんて」


いたのは私服の佐藤課長だった。ポロシャツにチノパンというフツーのオジサン。ああ、早百合さんの愛妻定食を食べに来たのね。いいなあ。ラブラブの熱々で。

私なんか……ああ……。
愛しの桐生颯悟がしっぽり温泉デート付きうきうきコンペだ。しかもよりどりみどりの中から選んだハイスペック女子と。

再び突っ伏した。


「なんだ、また聞いてないのか? ゲリラ豪雨でコンペは途中で中止。クラブハウスから一番遠いホールでプレイ中だった最終組は落雷の中、命からがら避難したって話だぞ? 雷で携帯電話の電波塔が故障して連絡もつかなくて、一時は死亡説も浮上したってよ」
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