颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)
シャワーを浴びたあとは、お腹が空いたので、残っていたお粥を温めて食べて。
薬を飲んで、また布団にもぐって。

目をつむるけど、浮かぶのはお見合い写真(仮)。

私も29だし、来年には30なわけで、お見合いの話が来るのもうなずける。
私だって結婚に憧れてはいるわけで。

いつかは奥さんとか呼ばれたいわけで。

“うちのだんながぁ~”とか、“うちの主人がお世話になっております”なんて言ってみたいわけで。

もちろん式なんかも挙げたいわけで。

海の見える教会とか、爽やかな高原にある神社とか。

オートクチュールのドレス、長いベール、生花のヘッドブーケ。
美味しい料理と洒落た引き出物でゲストをもてなして。

そんな妄想も散々してきた。

例えば。

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クラシカルなパフスリーブのドレス。袖のレースが綺麗なタイプ。
それを着て、父と腕を組んでバージンロードを歩く。

お父さん、髪の毛が寂しくなってきたんだよねー。それもご愛嬌だ。
もう、泣いてるの? 鼻水垂れてる。

中央で待つのは黒のタキシード姿の桐生颯悟。
いつもはサラサラにしてる髪を七三に分けて、グリースでウエットにして濡れツヤが色っぽい。

甘い笑みを浮かべて、みのり、って手を差し出す。
お父さんの腕を離れて桐生颯悟の隣に並ぶ私。

お父さん今までありがとう。私、颯悟さんと幸せになりま……。


ポフっ。
煙が立って、私が消えた……。

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