颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)

おかしい。

なんで消えるの。
忍者じゃないってば!

じゃあ和装。


───────────────

袴姿の桐生颯悟。
白無垢に身を包んだ私。

三三九度の杯を指で上品に支える。


ポフっ。

白無垢の私が消えた……。

───────────────

なんで。

いろんな妄想してきたくせに、いざ、桐生颯悟の隣となると、私だけが消えてしまう。

まだ付き合いが浅いから?
年下だから?
それとも御曹司だから……?

大企業御曹司の結婚はどんな感じなの?

祐理恵さんなら、真っ赤なシルクの生地にキラキラスパンコールでドレープがきれいなドレスかな。肩を出して、ビスチェからは胸の谷間が見えて。お嬢様然とした雰囲気が桐生颯悟の隣に並んでも遜色ない。彼女なら目に浮かぶのだ。

身分差がありすぎてダメらしい。
いや、胸の大きさか?


お見合い写真(仮)をちらりと見やる。
母が持ってきたお見合い話ならきっと自分の身丈に合う人なんだろう。
結婚して、一緒に暮らして、子供が出来て、家を建てて。

家を建てるのは仙台かな、それともそのひとの生活圏かな。
奥さんの実家に近い方がなにかと都合がいいって先に結婚した同級生が言ってたな。

ほら。
まだ会ったことのないひとでも、なんとなくの未来は導ける。
なのに桐生颯悟とは挙式ですら脳がキャパオーバーなのだ。
< 248 / 328 >

この作品をシェア

pagetop