颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)

*―*―*

あれから桐生颯悟はお見合い写真(仮)に触れることはなく。
接待や会議で帰宅が遅く、顔を合わせることはなくて。
朝はそれなりにフツーで。でもキスはなくて。

まあ、あっという間に水曜日、朝。
私はマンションに帰るための荷物をリュックに詰めていた。

桐生颯悟はそんな私を横目で見下ろしながらネクタイを締める。


「そ、颯悟さん」
「なに?」
「今晩から留守にします、日曜日まで」
「お母さんとゆっくりしてきてね。じゃあ先に行くね」
「そ……」


パタン。ドアは閉められた。
キス、してくれないんだ……。



*―*―*

久々に自分の部屋に帰宅すると、母が部屋の真ん中で段ボールの荷解きをしていた。


麦倉米子、50歳。身長162センチ55キロ、髪は襟足バリカンのショートヘア。といえばフツーのオバサンだが、金髪にサングラスをカチューシャ代わりにさし、服はオフショルの、しかもタイトな黒のミニスカワンピ。露出高めでかなり目立つ。

なんというか、まあ、いわゆるワンレンボディコン世代で。
全盛期には仙台のマハラジャと称されるディスコでブイブイ言わせてたとか。

娘の私がいうのもなんだけど、美魔女と言われるに相応しいオバサンだと思う。
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