颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)

白のキャミソール、ブラ、ショーツ。これを着るのは3度目だ。洗面台に映る自分がいやらしく見えた。逃げるように洗面所を出て、明かりを消した。

通路の照明も消し、リビングの明かりも消して。

足元にぼんやりと光る間接照明を頼りに桐生颯悟の部屋に向かう。

カチャリ。静かにドアノブを回したのにその音がやけに部屋に響いた。

ベッドサイドのランプが最小輝度で部屋を照らしている。桐生颯悟はベッドの中にいた。私に気づいて布団をぱふっとめくる。上半身は裸、黒のボクサーパンツ。細マッチョの筋肉質な肌が見えて、見慣れない姿に私の心臓は一気に跳ね上がった。

するすると見えない紐で引っ張られるように桐生颯悟のもとに行く。ベッドに上がるとすっぽりとその腕の中に閉じ込められる。直に伝わる体温に、これからこのひとに抱かれるのだという覚悟をさせられた。

横向きで抱きしめられている格好。

彼の胸にうずくまる。恥ずかしくて顔をあげられない。あげたら最後、それを合図にしてコトが始まってしまうから。

ちゅ。額に。
ちゅ。こめかみに。
ちゅ、ちゅ。頬に、鼻に。

顎をくいと持ち上げられて、私は目を閉じた。
そっと唇にキスを落とされる。ちゅ、ちゅ、という小鳥のキス。優しく繰り返されるそれにふうっと心の緊張が緩んでくるのが分かった。

それにつられてほんのり薄く開けた唇を桐生颯悟ははむ。上唇をはみ、下唇をはむ。それを数回繰り返して、今度は舌が唇をなぞる。温かく湿った舌が数往復して、私の唇を割った。
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