颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)
「麦倉くん、といったかね。二言はないね?」
「はい。ずんだに誓って」


社長は、ずんだ?、面白いことを言うねえ、と鼻で笑ったあと、紙を差し出した。


「広報部デザイン課主任麦倉みのり、本日付けで株式会社ユニークシークエンスに出向を命ずる」
「はい!」
「詳しい説明は情報シスの徳田くんから聞きたまえ」
「はいっ、では早速連絡してみます。この麦倉みのり、ずんだに誓って頑張りますんで!」


私は立ち上がり、一礼して社長室をあとにした。エレベーターホールに向かっていると、背後から牧田さんが追ってきた。


「む、麦倉さん!」
「はい、なんでしょう?」


色白のいつものかわいい顔が変態している。眉尻を下げ、口元はへの字、目を潤ませて。血相を変えて、ってはこのことか。


「牧田さん、どうしたんですか?」
「今、社長から聞きました。まさか麦倉さんだと思わなくて」
「何がですか?」
「出向です、ユニークシークエンスへの」
「何かあるんですか?」
「あるも何も、あの会社、佐渡にあるんです!」
「佐渡。そうなんですか、へえ……ええっ??」


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