颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)
「なに、その顔。単純バカにバカって言って何が悪いの。事実じゃん」
「はあ、すみません」


桐生颯悟は、ふん、と鼻を鳴らしてソファにどっかりと座った。リモコンを手にして音楽をかける。

なんか納得がいかない。自分のスペックのなさをバカにされたのもあるけど、それは事実で仕方ないとしても、せめて気持ちだけでも認めてもらいたかったのに。

それに桐生颯悟がさみしがってる様子が一ミリもないことにも納得がいかない。

ソファの座面に寝転んで文庫本を広げる桐生颯悟。荷造りする私に全く興味がないようだ。


「あのぅ。明後日に出発しますんで」
「ふうん」
「一ヶ月は帰って来れないらしいんで」
「あっそ」
「もう行っちゃうの?、とか行かないで、とか、ないんですか? なんか冷たくないですか?」
「別に。今までだってひとりて生活してたし、もどるだけだから問題ないし。それに、バカがうつると大変だからさっさと出てってくれて助かるし」
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