颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)

黒縁丸眼鏡の奥からのぞく黒い瞳。どうやらホントに私のことを好きらしい。
人生初のモテ期到来。片方は御曹司、片方は新進気鋭の若手ホープ。思わず顔がにやけた。


「フフフフフ」
「にやけてる場合じゃありません。工場の従業員も含めたら3万人規模の大企業の全く違う部署で引き抜かれたんです、僕たちは。運命としか言いようがありません。考えてくれませんか?」
「フフフフフ。そんなこと言われましても。私は颯悟さんしか考えられないんで」


運命というなら颯悟さんとの出会いの方がよほど運命的だし。相性もバッチリだし、いろんな意味で。


「その颯悟副社長は麦倉さんのことを遊んでるんですよ」
「確かにひとをおもちゃ扱いしてるところはなくはないですけど、私も颯悟さんがかわいくて仕方ないと申しますか」
「もう。麦倉さんは見放されたんです。捨てられたんです。それが証拠に出向社員は出向にサインした時点で……って聞いてます? とにかく。僕は全力で麦倉さんを奪いますので覚悟してください」


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