颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)
鍵を渡され、中に入る。12畳の洋間にベッドと作り棚、デスク。小さいながらもクローゼット付きだ。窓からは松並木と向かいの建物が見えるだけだけど、機能と広さはビジネス用なら十分だ。

でも。
何やらちょっと、壁が変だ。隣のペーターの部屋から物音がする。リュックを置く音とか、窓を開ける音とか、生活音が聞こえた。よほど壁が薄いのかと思い、壁を手のひらでそっとタッチした。

「ん?」

ちょっと壁が揺れた気がする。もう一度、今度は軽く推してみた。

傾いた。

なに……これ?
可動式のパーティション??
試しに動かしてみる。しゃ、しゃ、しゃーっ。

蛇腹に畳まれたパーティションは観音開きになった。
目の前には微笑むペーター。


「あ、そうそう。麦倉さん、ここは元は一部屋だったらしいんです。それを可動式の壁で仕切って、シングル用に改築してるんです。で、必要なときにはこうして開いて即ミーティングも可能です」
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