最恐ドクターの手懐けかた II
名残惜しそうに唇を離した遠藤先生は、低く心地よい声で告げる。
「だから、先生じゃねぇだろ」
「でも……白衣着てる」
私の言葉に、苦い顔をして白衣を脱ぎ捨てる遠藤先生。
その下にいつも着ている緑色の術衣が現れた。
「ほら、先生だ」
そう言いながらも、その緑の術衣にしがみついた。
二度と離さないように。
こんなに素直に甘えられるのは、明け方の当直室だからだろうか。
それとも、何かに取り憑かれてしまったのだろうか。