題名のない恋物語
本当にかっこ悪い。俺ばかり緊張してる。頬に手を当てるとびっくりするぐらい熱くて、そのまま背中から倒れ込んだ。砂浜がひんやりしていて気持ちいい。
「……理紗」
寝転がったまま理紗の名前を呼ぶと、小さく返事をした。ゆっくりと体を起こして理紗をまっすぐ見つめる。
今日初めて気づいたその感情に、俺は戸惑いのほうが大きいけど、それでもどうしても伝えたくて、言葉に熱がこもる。
「…好き」
「っ、」
「俺、理紗のこと好きだよ」
一度口にしたその言葉は、次は意外とすんなり出てきた。