Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
視界がぼやけて、何も見えなくなる。
...涙が。
涙が、溢れて止まらない。
頬をつたい、顎から膝に落ちるそれ。
私があの日、心とともに捨て去ったもの。
もう泣かない。
...そう決めたはずだったのに。
「よし。気の済むまで泣けよ?」
そう言って笑うこの男と出会ってから、2度も泣いた。
私が失い、捨てたもの、何もかもを思い出させる。
彼の言葉はどうしてか私の心に入ってきて、巣食っていた氷を溶かし、涙として、私の中から取り去ってくれる。
...こんなの初めてだ。
誰かの声がこんなにも心に響くだなんて、知らなかった。
「蓮央〜、何で女の子泣かせてんだよ!!」
「...何でそんなに空気読めないんだよ、諒真」
「ちげーよ!!空気読んだからこそ、この場を盛り上げようとしてんだろーが!!」
「さらに盛り下がるからやめとけ」
そんな会話を聞きながら、私は止まらない涙をぬぐう。
拭いても、拭いても、止まらない。
私が心の中に押し込めていたものたちが、流れていく。
私...こんなに泣くキャラじゃなかったのにな。
もっとクールに生きてきたはずなのに。
この人達のせいで、変えられた。