南くんの花嫁( 猛 烈 修 行 !! )
これでもかと首を横に振って嫌だ嫌だを披露した私に、朝からそりゃもう深いため息を零した瀬那。
「朝からうるさいやつ」
「う、うるさいのが私だもん」
「まぁ、言われてみれば確かに」
フッと鼻で笑う瀬那は、怒るどころか私の顔を見ながらどこか楽しげで
そんな瀬那に見惚れていた私はハッと我に返ってリビングを振り向く。
リビングの掛け時計は既に7時15分を差していて、瀬那が昨日家を出た時間とあまり変わらない。
「……あ!瀬那ごめん!もう時間」
───ッ!?
慌てて瀬那へと振り向いた私は、唇に一瞬だけ触れた柔らかな感触に言葉を失って、
「心配しすぎ。それに、余所見してるほど暇じゃない。……じゃ、行ってくる」
ぐしゃぐしゃ、と私の頭を乱暴に撫でて玄関から出ていく瀬那の後ろ姿に「行ってらっしゃい」すら言えないまま。
ドアが閉まった音と共にへなへな崩れこんで、そっと口元に触れる。
あぁああぁあ!!!何、何今の!
「は……反則すぎませんか」
瀬那が、俗に言う「行ってきますのチュー」をしくれる日が来るなんて。森坂 佑麻、ただいま 瀕死状態です。
今なら指先1本でおデコを1突きされたら、簡単に殺られる自信があります。