偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎
「あ、それから、あくまでも『偽装』やからな。籍は入れへんぞ」
青山は、さも当然のように告げた。
「なぁんやっ……それを早よ言うてよっ!」
稍の顔が、ぱあぁっと明るくなる。
「ということは、ハウスキーパーをしたらルームシェアさせてくれる、っていう話やーん!」
稍のうれしそうな表情と反比例して、青山の表情が険しくなる。
「おまえなんかと入籍して、おれの戸籍を汚すわけないやろが、ボケ」
なにかと一言も二言も三言も多くて、しかもそれには毒がてんこ盛りときてる青山と、一緒に暮らすだけでないどころか、結婚生活を『偽装』しなければならないなんて、かなりの不安もあるが。
背と腹はアロンアルファでべったりくっついている以上にかえられないものなのだと、しみじみ思った。
なので、稍は青山……智史を見上げると、観念したように、ふっと微笑んだ。
「わかった……智くんの『偽装のお嫁さん』になったげるわ」
「おまえはおれに養ってもらう身になるというのに、えらい上から目線やな」
智史は怒るというよりは、呆れ返ったような声で呻いた。