偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎
「そうと決まったら『契約書』や」
智史はそう言って、テレビボードの引き出しから、薄っぺらい紙を持ってきた。
テレビボードの上もいろんなもので散乱していたが、テレビは軽く五十インチ以上ありそうだ。
智史はまず、ローテーブルの上の散乱した郵便物の封筒をざーっと適当に端に詰めて「スペース」をつくった。
すると、ガラスの天板が姿を見せた。
次に、カウチソファの背にかかったシャツやスウェット類をこれまたざーっと端に避けて、座る「スペース」を確保した。
すると、シックなブラックの革張りの座面が姿を現した。
「おい、おまえも座れ」
智史に促され、稍も隣に腰を下ろす。
とたんに、ぱふーっと身が沈み込んだ。
ふっかふかの座り心地だった。
だが、ガラスの天板に広げられた紙に目を落として、稍は思わず息を飲んだ。
薄っぺらい紙は……「婚姻届」だった。