偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎
稍は、ハッとした。
リビングで寝ていたら、テレビボードやローテーブルが、するするーっとフローリングの床を滑ってくるかもしれない。
ダイニングキッチンからも、扉が開いてなにが飛んでくるかしれやしない。
一方、物置部屋は、壁一面に連なる収納家具が、雪崩のように倒れてくるかもしれない。
稍は真っ青になって、その場に崩れて頭を抱えた。智史の言うとおり、稍が安心して寝られるのはベッド以外にはなにも置かれていないという寝室しかない。
……ちょっと褒められたからって、まんまと「セフレ」への道、一直線やんかぁーっ!
「おい、早よ、蕎麦食おうや。伸びるぞ」
智史は機嫌よく稍の両腕を取って抱え起こした。
すっかり脱力した稍はそのまま、引き摺られるようにダイニングへ「連行」された。