偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎
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「……うちのオカンの味、や」

智史は蕎麦の出汁(だし)を一口飲んで、目を見張ってそうつぶやいた。

稍は深く肯いた。

……そうでしょうとも。
バリキャリでお忙しい、あなたのお母さまなら、きっとそうだと思っておりました。

稍が家から持ってきた、関西では知らぬ者はいない「ヒガシマル うどんスープ」の力である。
これを入れてお湯を注げば、だれもが「関西風うどん」を体現することができる「関西のオカン」必須のアイテムだ。

こっちのスーパーでは見かけることはまれだが、関西のスーパーにはどこにでもある。
しかも、いつもお買い得な特価だ。
稍はネットで取り寄せていた。

「ほんで、このお揚げさんは……」

関西人は物に対してなぜか敬称をつけるが、会社では超絶無愛想な、あの「青山」だった彼から聞くと、なんだかおかしい。

稍は吹き出しそうになった。

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