偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎

その墓前に花を手向け、線香に火を点けたあと、稍と智史は並んでお参りした。

「その人」は、稍の母親の実家の墓で永遠の眠りについていた。

駐車場に車を停めたとき、智史の家の墓もここにあったのか、と思った。

しかし……違った。

智史は「その人」の名を挙げ、「その墓までおれを連れていけ」と言った。

なんだか、こうして一緒に墓参りしていると「偽装」のはずなのに、本当にご先祖様に「結婚報告」しているみたいだ。

……たぶん「その人」には、すべてお見通しなのだろうけれども。

そして、今二人で墓掃除をしていた。
なんだか、最近二人で掃除ばかりしている。

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