偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎
リビングに通されて、稍と智史がカウチソファに並んで座る。
智史の父が淹れたカフェオレが供された。
やっぱり、稍の淹れるカフェオレとほぼ同じだった。
それから、稍たちが手土産に持ってきた華丸百貨店の神戸店のデパ地下で買ったモロゾフのプリンを、みどりがローテーブルに置いた。
しかし、相変わらずガラスの容器には入っていたけれど、あの頃のデザインではなかった。
そして、目の前の一人がけのソファにそれぞれ腰を下ろした彼らの姿を、稍も智史も改めて見た。
二十年以上も会わなかったうちに、さすがに彼らは歳を経ていた。
彼らが互いの家族を捨てて神戸を出たのは、ちょうど今の稍と智史の頃だった。
みどりと洋史は、稍と智史に自分たちの「過去」を見た。
稍と智史には、みどりと洋史が自分たちの「未来」を見るようだった。
そのくらい……彼らは似ていた。