偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎
「稍……ごめんな……あんたはなぁんも悪うないのに、あたしのせいで、そんなに好きな智史くんとの結婚反対されて」
みどりは手のひらで顔を覆って突っ伏した。
洋史が「みどりのせいだけやない……おれがもっと……」と言いながら、その肩を抱く。
「……おかあさん」
稍は思わず口を開いていた。
「あたしも大人になったし、この歳になるまでに何人か好きな人もいた」
智史が急に不機嫌な顔になって、稍をぎろり、と睨んだ。
稍は、えらい「演技」に気合入ってるなぁー、と感心した。智史を見て、グッジョブ!と微笑んでおいた。
「せやから、過ぎ去ったことを蒸し返すつもりはないねんけど……ただ、なんで……栞だけでも連れて行ったらへんかったのかな、って思って。
栞は……おかあさんと智史のお父さんとの子どもやろ?」
ずっとずっと、気になっていたことだった。
栞のためにも、聞いておきたかった。
「……あんた……知ってたん?」
みどりが突っ伏していた頭を上げた。
顔は青ざめ、くちびるまで真っ白だった。
「あたしも、智史も……栞も知ってるよ」
稍は静かに告げた。