偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎

そして、みどりはたった一人の弟を、二十一の若さで失った。
期待の息子を失って、実家の母親は一気に老け込んだ。父親はすでに他界していた。

「最初はバチがあたったんかと思うた。
家族を裏切って、勝手なことをしたから、こんな目に()うたんかと思うた……でも」

みどりは、稍をまっすぐに見た。

「人生は短い。明日……いや、今、こうしてる次の瞬間にも、いきなり消えてなくなってしまうかもしれへん」

稍も、みどりを見つめ返す。

「だから、悔いのない人生を、この世を去るときに、反省はしたとしても、後悔だけはしない人生を、送ろうと思った」

そして、みどりは洋史を見た。

「この人を、どうしても……登茂子に渡したくなかってん」

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