偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎

「……栞は元気にしてる?」

稍は肯いて、栞の近況を話した。
卒業した大学院を言うと、みどりも洋史も目を丸くした。

智史が「おれも国内トップの国立工大の院卒やねんけどな」とぼそりとごちった。

「今は、小説家のアシスタントか……そうか」

洋史が感慨深げにつぶやいた。

彼は大学は理系の学部に進んだが、文学が好きで小説家を目指していた時期があった。
智史はそれを母の登茂子から聞いていた。

みどりは離れて暮らしている間、直接娘たちには会えなかったが、実はこっそりと運動会などを見に行っていた。

だから、娘たちがどんなふうに成長していったかくらいは知っているつもりだった。

けれど、今日実際に稍と会ってみて、やはり見ると会うとでは大違いだったと実感した。


栞にも会いたい、と強くつよく思った。

< 418 / 606 >

この作品をシェア

pagetop