偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎
「京都のおじいちゃんやおばあちゃんは、突然行ってもやさしくしてくれた?」
結婚を反対された家に愛娘を送ったのだ。
みどりは当初、心配で堪らなかった。
「おじいちゃんは確かに頑固で怖いときもあったけど、あたしのことはもちろん、栞のことも大事にしてくれはったえ」
栞が血の通った孫ではないということを、祖父と祖母が知っていたかどうかはわからない。
彼らはすでに鬼籍に入っている。
「おばあちゃんは、あたしらのことを不憫に思うて『そもそも、うちらがあんたらのお父さんとお母さんの結婚を反対したさかいなぁ』って言うて『堪忍やで』ってあたしらに詫びてはった」
結局、大阪で仕事をしていた巧は引き取った子どもたちを京都の実家に任せざるを得なかった。
「巧さん……おとうさんがあのときなぁ、
『震災で失うた家の住宅ローンを払うためにでも働けるんは、稍と栞がおるからや』って。
『嫁が出て行ったうえに、子どもらまでおれへんようになったら、これから先何のために働いてええのかわからへんようになる。
……頼むから、稍と栞は連れて行かんといてくれ』ってことも言わはってんよ」
稍は目を見開いた。
……おとうさんにとって、栞は『実の子』やったんや。