偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎

「それにしても、ややちゃん、こんな神経質なヤツをダンナにして大丈夫か?
こいつ、一緒に鍋も突かれへんねんぞ。
『他人の直箸(じかばし)が突っ込まれたとこなんぞに、自分の箸を入れられるか』って言うてさ」

魚住がうんざりした顔になっていた。

「あれっ……智くん、あたしが食べてる最中のコンビニの焼きとりを奪って、機嫌よく食べてたよね?」

稍は思わず口走っていた。
すると、だんだんと「あのとき」の口惜しさが甦ってくる。

「智くんったら『おれは、稍が食べてるヤツが旨そうに見えたんや』って言って、わざとあたしの食べかけの串を奪っていくんですっ。
挙げ句の果てには、あたしが楽しみにして最後にとっておいたハラミタレまでをもっ!
……しかも抗議するあたしに向かって『意地汚い女やな』って……そんなひどいこと言うんですよっ!!」

稍は魚住にチクることで「喰い物の(うら)み」をぞんぶんに晴らしてやった。

魚住は、ありえないものを見るかのごとく驚愕の表情を浮かべていた。

「稍……外では家でのこと、金輪際話すな」

視線だけで人の息の根を止めるかのような凄まじさで、稍は青山から睨まれた。

しかし、時はすでに遅かった。
昼休憩までのカウントダウンはもう始まっていたからだ。

それに……

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