偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎

突然、ミーティングルームのドアが三回ノックされた。

「……魚住課長」と姿を現したのは、麻琴だった。

稍の顔を見てハッとして、

「失礼しました。来客中だとは知らずに失礼しました」

優雅な所作で頭を下げる。

「あ、この人は客じゃないから大丈夫だ。
今日から青山のチームで働いてもらう嘱託の麻生 稍さんだよ」

魚住が稍を紹介する。

「同じ部署内で同じ名前は紛らわしいから、社内では旧姓だけど、青山の奥さんだから。入籍したばかりの新婚さんだよ」

麻琴の大きな瞳がほんの一瞬、めいっぱい見開かれた。

しかし、次の瞬間にはもう、いつもの彼女だった。

「そうですか、それはおめでとうございます。
……奥さま、いつも青山リーダーにお世話になっております。渡辺 麻琴と申します」

改めて、麻琴はお辞儀した。

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