偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎

「わたし……きっと……気負い過ぎたのね……」

麻琴がふぅーっと、細長い息を吐く。

ハイスペックな男こそ、むしろ「家」では気を抜いて安らぎたいのかもしれない。
自分には、そういう「男をホッとさせる安らぎ」がなかったのだ。

「あ、それから……実は、内緒なんですけど、智くんと魚住課長って、従兄弟(いとこ)同士なんですよ。
……やっぱり、オンナの気持ちがイマイチわかってないところが似てますよねぇ」

稍はバラしてやった。

「えええぇっ⁉︎ そうだったのっ⁉︎」

麻琴の見目麗しきお顔がムンクになる。

魚住とは、互いに二十代の頃からのつき合いなのに……青山とは、幾度となく身体(からだ)をつなげあったのに……それでも、教えてもらえなかったのだ。

二人にとって自分がその程度の存在だった、ということが思い知らされた。


そして、もう一つ、思い知らされたのは……

「……麻生さん、あなた、青山さんのことを『さとくん』って呼んでるのね?」

……しっ、しまったぁーっ!
まっ、また、やってしまったぁーっ!!

今度は稍がムンクになる番だった。

麻琴は声をあげて笑った。

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