偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎

「……おまえ、こんな時間までどこに行っとった?」

玄関のドアを開けると、智史が鬼の形相で仁王立ちしていた。まだワイシャツにスーツのスラックス姿だったが、先に帰っていたようだ。

ひいぃっ、と稍は一瞬のけぞったが、(ひる)んではいけない、と気を強くした。

目の前にいるのは、憎っくき「オンナの敵」である。「オンナ志士」として「ナカマ」が受けた屈辱を晴らすため、闘わなければならぬのだ。

……「天誅」でござるっ!

案ずることはない。アイラの女王が授けてくれた魔法の水が、稍をきっと最強レベルのオンナ志士にレベルアップしてくれたはず。

稍の耳に ♪チャララ、チャッラッラ〜 と軽快な電子音が聞こえてきた。


「稍、おまえ……酔うとるな?」

家の中ではひさしぶりに聞く、氷点下の声だ。

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