偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎
「いやぁ、完全に『個人情報』だとは思うんだけどさ……あんまり、あの人がそう言うもんだから、どうしても気になっちゃってねぇ」
医者は山口の方を顎でしゃくった。
それまで、ありえないものを見るかのごとく驚愕の表情を浮かべて突っ立っていた山口は、はっ、と我に返った。
目の前にいるのが、あの鉄仮面で朴念仁の「青山」だとはとてもとても信じられなかったので、完全に凍結していたのだ。
「……はあぁっ!?」
窓際のソファに座って事態を見守っていた麻琴が、見目麗しいお顔を素っ頓狂にさせた。
「なに言ってるのよ、山口くんっ。
あなた、青山さんが社内の『愛妻家ランキング』で魚住課長と一位の座をデッドヒートさせてるの知らないのっ?社食でもっぱらのウワサよっ!」
そして、肩を竦めて、
「……まぁ、わたしもここまでとは思わなかったけどね」
ぽつりとつぶやいた。
「それはそれは……なかなか楽しそうな職場環境だねぇ。僕も勤務したいよ。非常勤でいいから産業医を募集していないかな?」
医者はくくっ、と笑った。