偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎

岡嶋 美咲(みさき)は部活の先輩ではない。
彼女は当時、吹奏楽部に在籍してクラリネットを吹いていた。

同じ部活だった同級生が、
『どんな楽譜でも初見でほぼ吹けるほど上手で、ラからシへ移る音が流れるような指遣いやねん』
と言っていた。

彼女とは同じ「図書委員」として出会った。
稍が高校一年生で、彼女が高校三年生のときだ。
たまたま当番でペアを組むことになったのだ。

中学入試での入学がほとんどだった私学の女子校で、二人とも高校入試からの入学だった。
『入学した時は『転校生』みたいやったわぁ』
と、彼女は言った。

入学したばかりの稍の気持ちそのものだった。

長い昼休みを図書館で一緒に過ごすうちに、気がつけば同じバドミントン部の先輩たちよりもずっと打ち解けて話せるようになっていた。

だが、大学までは交流があったものの、稍が就職で東京に出てきてからは、すっかり疎遠になっていた。

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