偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎
「美咲さん、しあわせそうでなによりです」
稍は目を細めて言った。
十代の頃から知っている親しい人が、大人になって幸せになっている姿を見られて、心がほっこりしていた。
「今は、大和がやんちゃ盛りで、ちょっとでも目ぇ離して家事でもしてたら、おもちゃで足の踏み場もない部屋になってて、『お片づけしなさいっ!』って怒りまくってる毎日やけど」
美咲は、ふふっと笑う。
普段、仕事で遊んでやれない「罪悪感」から、一人息子にやたらとおもちゃを買って帰る父親のせいでもあるのだが。
「あたしね、甲状腺の持病があってね、
お医者さんからは数値さえコントロールしてたら出産には支障はないって言われててんけど、それでも、大和がお腹にいたときも、大和を産んだあとも、普通の人より疲れやすいから結構たいへんやってん……せやけど」
そのときを思い出したのか、遠い目をしている。
「大和がいぃひん世界は……もう考えられへんわぁ」