君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。


「あぁ……父さんを、追いかけてかな」

「父さんが、若い頃ミルクティー色だったんだって」


女みたいにさらさらな俺の髪を摘んで髪色を見ると日に透けてキラキラとしていた。


「…那知くんって、母子家庭って言ってたよね?お父さんとはよく会ってるの?」


「会えるのは、時々かな。物心ついた時から父さんはもういなかったから寂しいとかはあんま無いけど」

けど…


「やっぱり…男は父親を、どんな理由でも、追いかけるんだと思う」

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