君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。


「そっか…」

やっぱり逢はそれ以外何も言わなくて、ただ俺を見つめて優しく笑った。


「逢は染めようとか思わねぇの…?」

逢の黒髪はとても綺麗で、俺はすごく好き。


「私の髪ね、お父さんにそっくりなの。だから変えない」

逢の父親…


前の世界の、逢の葬式で手紙をくれた人。

たしかに、逢は父親に似ていた。


でも、だから変えないってどういう意味なのだろう。

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