君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。
「そういうとこでは、お前と逢ちゃんって何か似てるんだよなぁ」
…俺と逢が似てることはもうとっくに知ってるよ。
素直に気持ちを言えないところも。
異性が苦手なことも。
変に冷めているところも。
片親ってとこも、秘密主義なとこも。
悔しいけれど、ほとんど前の世界で、逢が“いなくなってから”知ったこと。
生きている時に、聞けたらよかったのに。
そしたらもっと、前の世界でも逢の笑顔が見れたんだろうな。
「ごめーん!遅れたっ」
カランカランと下駄を鳴らして、少し小走りにくる二人。