君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。


二人して、息を飲んだ。

彼女たちが、あまりに綺麗で。


釘付けになって、体が熱くなっていく。

「…那知、久しぶり……」

夏休みが始まって直接会うのはこれが初めてで、少し緊張したように話す逢。

「……ん、久しぶり」

少し素っ気ない自分の返事に後悔した。

あぁもう、照れ隠し下手くそか。

逢のこと傷つけてどうすんだバカ。


「………かわいい、似合ってる」

きっとそう言った俺の頬は染まってると思う。

良かった、空がオレンジで。


「…え、あ、りがとう…」

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