君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。
「逢、はぐれんなよ」
……といってもこの人混みじゃ、はぐれない方が難しい。
「…ここ、持っときなよ」
自分の服の裾を彼女に持たせて微笑む。
「……ん、ありがと」
小さいな…
二十センチ以上ある身長差がなんとなくもどかしい。
もっと、彼女の笑顔を近くで見ていたい。
「おーい、那知、逢ちゃん、行こうぜ」
理久と日向は当たり前のように手を繋いでいて、やっぱ羨ましい。
俺も、繋ぎたいけど。
友だち、なんだって。
俺たち、友だちなんだよな。