君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。


「逢、はぐれんなよ」

……といってもこの人混みじゃ、はぐれない方が難しい。


「…ここ、持っときなよ」

自分の服の裾を彼女に持たせて微笑む。

「……ん、ありがと」


小さいな…

二十センチ以上ある身長差がなんとなくもどかしい。

もっと、彼女の笑顔を近くで見ていたい。


「おーい、那知、逢ちゃん、行こうぜ」

理久と日向は当たり前のように手を繋いでいて、やっぱ羨ましい。

俺も、繋ぎたいけど。


友だち、なんだって。

俺たち、友だちなんだよな。

< 158 / 359 >

この作品をシェア

pagetop