君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。
自分を戒めて、逢の歩調に合わせるようにゆっくりと歩いた。
「那知のそういうとこ、私好きだよ」
にっと笑う彼女にドクンと心臓が波打つ。
…好き、とか。
友だちだからってそんな簡単に言うなよな…
我慢出来なくなるだろ。
てか、そういうとこって、どこ?
「……何?」
「ふふ、はぐれないように、とかさりげなく人混みから私を庇ってくれてるところとか、ゆっくり歩いてくれるとことか」
……気づいて、たの。
「ありがとう、那知はほんとに優しいね」
あぁ、それだけでもう十分だ。
逢が気付いて、ありがとうって笑ってくれるだけでもう、満足だよ。