君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。
「…俺たちも、移動しようか」
「…あっ、うん」
花火か見える静かな場所を知っているから、そこへ行こうと足を動かす。
「…わっ」
逢の声が聞こえて振り返ると裾から手が離れて流されそうになっていた。
「逢!」
咄嗟に彼女の手を掴んで引っ張ると、俺の胸へ飛び込んできて密着してしまった。
…俺の心臓、おさまれ。
「…ご、ごめんっ」
真っ赤な顔をして俯く逢。
「…いや、危なかったな」
そうだよな、やっぱ裾じゃ…ダメ、だよな。
「逢…手、繋ご」
勇気、だした。