君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。


「彼女居たら逢たちと祭り来てねぇよ。友だちに会いに行くだけだから」


笑いながらそう言うと彼女は安堵したように微笑んでみせた。

「あ、そか…そうだよね。じゃあ那知も気をつけて帰ってね」


「おう、じゃあまたな。裕也も今度遊ぼうぜ」

「うん、そうだね。じゃあまた」

ひらひらと手を振る二人に右手を軽く上げて応える。


その背中が見えなくなって、空を見上げて息をはいた。

「……はぁ…」

あぁ、なんかデジャブ感。

前の世界で、逢と別れた日も…こうやって一人で空を見ながらため息をついたなぁ。

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