君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。

「…雪白?」

「えっ、あ…何?」

上から聞こえた声にばっと顔を上げる。


「ふふ、いや急に静かになったから」

ひろくんは可笑しそうに、口に手を当てて笑った。

「あ、考え事してて、ごめんね」

…最近は那知のことばっかり、考えてる気がする。


理久と日向が付き合い始めて、隣に居る時間が増えたからかな。

「…那知のこと、考えてた?」

ひろくんの問いに心臓が跳ねる。

「…え?」

どうして…わかったんだろう。

何か、恥ずかしい。

< 173 / 359 >

この作品をシェア

pagetop