君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。
背の高い向日葵に隠れて、背の低い私には、すぐにその姿は見えなくなった。
声だけは、小さいけれど、ちゃんとはっきり聞こえる。
「……そうだよな、…おめでとう」
声のする方へ、あのミルクティー色の髪を探して、幸せそうに笑う彼を探して、向日葵をかき分ける。
「…那知、どこ?」
「ここだよ」
視界いっぱいの向日葵を背景に、私の瞳に映りこんだ綺麗な彼は心地いい声で私の名を呼んだ。
「逢」
やっと追いつけた…
安堵や嬉しさから来る笑顔を隠さずに、那知のそばへ駆け寄る。
彼はそんな私の髪を梳くように撫でて、そのまま降りてきた手は頬を撫でる。
ミルクティー色の髪の毛は、那知の顔を上手く隠して、その表情はよくわからない。
「那知…?」
頬から首の後ろ、頭の後ろへ那知の大きな手は移動していく。