君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。


「…私ね、家に、他人を入れたの初めてなんだ」

躊躇いがちに発せられた声。

「……え…?」

「………見られたくなかった、こんな、寂しい家…」


逢が、自分の話してることに、ただ驚いた。


「那知なら、いいって思えた…私の話をちゃんと聞いてくれるんだろうなって…」


とんだ、殺し文句だよ。

「……うん、そっか…ありがとう」


「…小さい頃はね、普通の家庭だった気がするんだ。もうほとんど覚えてないけど…」

普通の家庭、という定義はよくわからないけれど、ひとつ浮かぶまだ新しい記憶。


「…あの写真…、やっぱり、母親なんだ」


「……あの部屋、見たの?……そっか…変な部屋でしょう?…あの人の部屋だったから、もう何年も入ってないの、私は。お父さんが時々あの部屋で泣きそうな顔をするのを見るくらい」

「…ごめん、勝手に見て…」

「…ううん、いつか話すって言ったし、那知には初めてあった日から聞いてもらいたいなって思ってたから……聞いて、くれる?」

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