君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。


....................


私の母親は、世間で言う“毒親”だった。

大嫌いだった、好きになれるとこなんて、これっぽっちもなかった。


私の母親が周りとは違うと気付いたのは、保育園くらいの頃かな。

もうその頃には母親に期待することもなくなっていた。

我ながらずいぶんと賢い保育園児だったと思う。


本来ならばまだ母親に甘えたい時期なのだろうけど、私はそこらの子よりませたガキだったのだ。

「お母さん」とも呼びたくなかった。

だって、“お母さん”と呼べることを、何もされていないから。

いや、私があの人から生まれた時点で、紛れもなく私の“お母さん”ではあるはずなのだけれど。


『あんたなんか産まなきゃよかった』


そんな言葉はもう耳にタコで、じゃあ産むなよ、って話なのだけど、そう言ったら面倒なことになるのは目に見えていた。

あの人は、お金にも、時間にも、何に対してもルーズで、自分が正しいと信じて疑わなかった。

自分が大好きで、自分にはとことん甘いくせに、人には見返りを求める。

< 253 / 359 >

この作品をシェア

pagetop