君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。
【逢side】
心がふわふわする。
今まで重すぎて、抱え込めなかった真っ黒なものが、なくなったみたいに。
あぁ、そうか。
私の持っていた荷物を全部、那知が持ってっちゃったのか。
“空が綺麗だね”
君から貰ったもの、大切な大切な、あい言葉。
“合”を“愛”にする資格なんて私にはないけれど、君がそう思ってくれてればいいななんて、虫がよすぎる。
大切なものをたくさんもらった。
私の抱えてるもの、はんぶんこよりももっと、うんとたくさん持って行ってくれた。
代わりに、私にたくさんの、両手でも抱えきれないほどの温もりをくれた。
この温かなものに気付きたくはないけれど、もうどこかでわかってた。
最初から、用意されてたみたいに、少しずつ積もっていったこの想いに、ちゃんと名前があること。