君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。

「…付き合うのは、2月14日まで。それでも、いいの…?」

「……うん…っ、それでも、那知といたい」


「……そっか、ごめんね、逢…ありがとう」

ふるふると首を必死に振る彼女を、そっと抱き寄せる。

「…な、ち」


「逢」

同じペースで、鼓動が鳴る。


「俺も、逢が好きだ」

とうとう泣き出した彼女へ、残された時間の中でせいいっぱいの愛を、贈りたい。

「…クリスマス、楽しみだね」

「うん、楽しみだね」

彼女は俺の腕の中で涙を拭いながら笑っている。

愛おしい。泣きそうだ。

「いっぱいいっぱい、一緒にいよう。俺の何もかもが逢に伝わるくらい一緒に」


「…うん、忘れられないくらい、一緒にいよう」


忘れないでほしい。
ずっと覚えててなくてもいいから。

ただ、思い出として、俺を忘れないで。

ほんの僅かでいい。


君の、記憶になりたい。

< 282 / 359 >

この作品をシェア

pagetop