君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。
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師走とはよく言ったもので、12月は忙しくしているうちにどんどん月日は巡って行った。
「那知、待った…?」
待ち合わせの1時より少し前に、逢はやってきた。
「ううん、大丈夫だよ」
相も変わらず人目を集める彼女は、私服もふわふわとして可愛らしい。
逢の綺麗さを、より引き立てていた。
「いつも可愛いけど、今日は一段と可愛いな。メイクもしてる?」
「え、あ、ありがとう…うん、してる」
「しなくても可愛いのに…オシャレしてきてくれてありがとうな、ほんとかわいいよお前」
「……那知は、恥ずかしくないの……そんなストレートに…」
マフラーに鼻まで埋めて、必死に顔を隠そうとしている。
真っ赤な彼女の頭を軽く撫でて、にっこりと笑った。
「思ったことは、言葉にしないと伝わんねぇからな」
前の世界の俺は、何も言えなかった。
何も聞けなかった。
言葉にしないと、人は何もわからないのに。
口に出せば、きっと上手くいったこともたくさんあったはずだ。
もう、後悔なんてしたくないから。