君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。

***

師走とはよく言ったもので、12月は忙しくしているうちにどんどん月日は巡って行った。


「那知、待った…?」

待ち合わせの1時より少し前に、逢はやってきた。

「ううん、大丈夫だよ」

相も変わらず人目を集める彼女は、私服もふわふわとして可愛らしい。

逢の綺麗さを、より引き立てていた。

「いつも可愛いけど、今日は一段と可愛いな。メイクもしてる?」

「え、あ、ありがとう…うん、してる」

「しなくても可愛いのに…オシャレしてきてくれてありがとうな、ほんとかわいいよお前」

「……那知は、恥ずかしくないの……そんなストレートに…」

マフラーに鼻まで埋めて、必死に顔を隠そうとしている。

真っ赤な彼女の頭を軽く撫でて、にっこりと笑った。


「思ったことは、言葉にしないと伝わんねぇからな」

前の世界の俺は、何も言えなかった。

何も聞けなかった。


言葉にしないと、人は何もわからないのに。

口に出せば、きっと上手くいったこともたくさんあったはずだ。

もう、後悔なんてしたくないから。

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