君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。


「…そうだね、うん、そうだよね」

納得したように頷いて、それから俺の手を取った。


「新しく出来た水族館楽しみだね」

電車に乗って、ひとつ空いていた端の座席に逢を座らせて、彼女の前に立って手すりに捕まる。

それでも彼女は繋いだ手を離さないまま、俺に笑いかけるから、とてつもなく愛しくなる。

「逢は何が見てぇの?」

「カワウソとチンアナゴかなぁ」

「くす、なんか意外なところ行くんだな」

「そうかなぁ?那知は?」


「俺は、クラゲが見たい」

ライトアップされながらふわふわと泳ぐクラゲは、自由で気ままで、きっとすごく綺麗で、少し羨ましいくらいだ。

「あ、私も、クラゲ見たい!きっと綺麗だよ」

「うん、そうだな、楽しみ」

俺の言葉に逢ははにかんで、頷いた。


「ん、着いたよ。行こうか」

電車をおりて駅を出る。

新しい水族館は駅を出るとすぐの所にあって、ずいぶんと立派な建物だった。

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