君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。
それを見ながら奥へ進んでいくと、大きなツリーが金色に光り輝いている。
所々にいろんな色が散りばめられ、てっぺんに大きな星が飾ってあった。
「わ、綺麗…」
「すげぇな……」
冷たくなった手をぎゅっと握って、光り輝く街をふたり見つめていた。
ツリーとともに視界に映る白い息は、暗く星が輝く空にあがる。
白い息が空に行ってしまうと、言葉が消えて届かなくなりそうで少し不安になる。
けれど、きっと君はそれを拾ってくれるから。
「空が綺麗だね、那知」
「…うん、幸せだな、逢」
ふたりで見たこの綺麗な世界を、目に焼き付けて欲しい。
ほんの少しでもこの幸せを忘れないで欲しい。
そしてどうか、未来へ生きる君の幸せの、ほんのひと欠片になればいい。
俺も、君が隣にいて、こんなに綺麗なものが視界を満たすこの光景を、きっとずっと忘れないから。
少しだけ潤んだ瞳が、光をぼかした。
「那知」