君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。


前の世界で一年近く一緒に居たけれど、こんなに本当に楽しそうに笑うのを見るのはすごく珍しい。


「逢、友だちになろうよ」

恋人にうまく甘えられないのなら、友だちとして君の笑顔をそばで見ていたい。

“友だちの俺”になら、たくさんあの笑顔を見せてくれるんだろう?


「えっ」

驚いたように声を上げる彼女に俺も驚く。

え、だめ…?


「あは、もう私たち友だちなんじゃないのー?」

眉を下げて「思ってたの私だけ?」なんて笑う逢が愛しかった。


「ははっ、そうだな、もう友だちだな」

< 95 / 359 >

この作品をシェア

pagetop