輪廻ノ空-新選組異聞-
そう、沖田さんは、真剣はいざとなった時、なかなか抜けるものではない、訓練が必要だと。特に私のように刀などと縁のない世界にいたのならば、尚更、何かあれば抜く、という…つまり条件反射ぐらいまで慣らしておかないとだめだと、特別にこっそりと真剣での稽古をつけてくれてた。
「あなただから、真剣での稽古を提案したのです。私はもちろん避ける自信はありますが、あなたは寸止めが出来る力量だ。いくら避ける自信があっても、下手な使い手に真剣で稽古をつける程私は酔狂じゃあ、ありませんよ」
あなたには、なみなみならぬ、剣術の才があります。と、沖田さんは続けて。私は嬉しいやら、感謝の気持ちやら、いろんなプラスの気持ちが充ちた事で、震えが止まって、そして立ち上がった。
「本当に…ありがとうございました」
心を込めて深々と頭を下げた。
「いいえ。あなたの鍛練の賜物。私はその手伝いをしたに過ぎません」
沖田さんは照れたように、ちょっと頬を上気させた。
「それにしても…土方さんにあなたの行き先を聞かれなければ、こうやってあの斬り合いに行き合う事もなかったですし…本当に……良かった」
と、沖田さんもしみじみ、ホッとした様子で。
「土方さんが?」
「あなたに聞きたい事が、あったみたいで。で、八坂さんに行きましたと伝えたら…」
そういや初詣に行ってねえな、と。そう言って、同じ八坂さんに向かうことになったのだと沖田さんは説明してくれて。本当に奇跡のような巡り合せ。
「今日のような幸運は、次もあるかどうかはわからない。ですから、今日の事を忘れず、冷静に、そしてあなたはそういう時代にいるのだと、そう言い聞かせて乗り切ってくださいね」
沖田さんの言葉に、わたしはしっかりと頷いた。
「あなただから、真剣での稽古を提案したのです。私はもちろん避ける自信はありますが、あなたは寸止めが出来る力量だ。いくら避ける自信があっても、下手な使い手に真剣で稽古をつける程私は酔狂じゃあ、ありませんよ」
あなたには、なみなみならぬ、剣術の才があります。と、沖田さんは続けて。私は嬉しいやら、感謝の気持ちやら、いろんなプラスの気持ちが充ちた事で、震えが止まって、そして立ち上がった。
「本当に…ありがとうございました」
心を込めて深々と頭を下げた。
「いいえ。あなたの鍛練の賜物。私はその手伝いをしたに過ぎません」
沖田さんは照れたように、ちょっと頬を上気させた。
「それにしても…土方さんにあなたの行き先を聞かれなければ、こうやってあの斬り合いに行き合う事もなかったですし…本当に……良かった」
と、沖田さんもしみじみ、ホッとした様子で。
「土方さんが?」
「あなたに聞きたい事が、あったみたいで。で、八坂さんに行きましたと伝えたら…」
そういや初詣に行ってねえな、と。そう言って、同じ八坂さんに向かうことになったのだと沖田さんは説明してくれて。本当に奇跡のような巡り合せ。
「今日のような幸運は、次もあるかどうかはわからない。ですから、今日の事を忘れず、冷静に、そしてあなたはそういう時代にいるのだと、そう言い聞かせて乗り切ってくださいね」
沖田さんの言葉に、わたしはしっかりと頷いた。