輪廻ノ空-新選組異聞-
「をのこが直ぐに涙を見せるな」
「はっ」
すみません、と慌てて拳で涙を払った。
「まぁ、こっちに来た頃を思えば、餓鬼臭さは抜けた。しっかりとしてきた。その陰には…おめぇなりに色んな苦労があったんだろう。まだまだ一人前には遠いがな」
なんだろう…嬉しい。
興味無さそうなのに、見ててくれたんだ。
「取り敢えず、今宵の事は良いな?」
「はい。宜しくお願い致します」
わたしは深々頭を下げた。
その夜、屯所の一部として借りているけれど、そこを根城にしていた芹沢さん達がいなくなってからは隊士の利用は減っている八木さんの広間にて、試衛館の面々だけで新年会が開かれた。
わたしはお節の残りに、肴になりそうな鰯の南蛮漬けを作って持って行こうと急いで準備をした。
片付けをしていたら…一番最後だったみたいで。沖田さんが呼びに来た。
「えっ!最後?近藤局長も…?」
恐る恐る聞くと、頷かれて。
ひぃっ、となる。目上の人を待たせるなんて…!
沖田さんにも器を持って貰って、広間に急いだ。
「はっ」
すみません、と慌てて拳で涙を払った。
「まぁ、こっちに来た頃を思えば、餓鬼臭さは抜けた。しっかりとしてきた。その陰には…おめぇなりに色んな苦労があったんだろう。まだまだ一人前には遠いがな」
なんだろう…嬉しい。
興味無さそうなのに、見ててくれたんだ。
「取り敢えず、今宵の事は良いな?」
「はい。宜しくお願い致します」
わたしは深々頭を下げた。
その夜、屯所の一部として借りているけれど、そこを根城にしていた芹沢さん達がいなくなってからは隊士の利用は減っている八木さんの広間にて、試衛館の面々だけで新年会が開かれた。
わたしはお節の残りに、肴になりそうな鰯の南蛮漬けを作って持って行こうと急いで準備をした。
片付けをしていたら…一番最後だったみたいで。沖田さんが呼びに来た。
「えっ!最後?近藤局長も…?」
恐る恐る聞くと、頷かれて。
ひぃっ、となる。目上の人を待たせるなんて…!
沖田さんにも器を持って貰って、広間に急いだ。